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「より使いやすく、より美しい日用品を!」これは20世紀はじめにデンマークやスェーデンなど北欧諸国で起きたデザイン運動のスローガンです。 19世紀、西ヨーロッパから遅れをとっていた北欧、その中の小国デンマークではスカンジナビア随一の学識者と言われ、当時の社会に大きな知的影響を及ぼしていた牧師、ニコライ・フレデリク・セヴェリン・グルンドヴィにより、大々的な啓蒙活動が行われていました。 そんな教育が蓄積されていく中、20世紀初めに彼ら独自のデザイン運動が開花します。
さて家具におきましては、1924年、デンマーク王立芸術アカデミーに家具科が創設され、その初代教授には、グルンドヴィー教会の設計で知られる建築家、P.V.イェンセン・クリントを父に持つ、コーア・クリントが就任しました。彼もまた建築家であり、彼の目指した教育がデンマーク近代家具デザインへの道を開きます。 彼は学生達に、優れた様式家具の実測から、その家具の背景にある人間の寸法や動作、家具製作の技術や構造、そして機能などを理解することを求めました。 国内外を問わず人間の生活を取り巻く様々な物の寸法を測定することで、家具に求められる寸法の標準化、さらに人間の体や動作に必要な寸法を測定し、人間側からの条件を家具の設計の中に持ち込むことを学ばせようとしました。 まだ人間工学という言葉すら存在しない当時に、このクリントの方法論に学んだデザイナー達は、やがて近代デザイン界をリードし、1930年頃からついにデーニッシュ・モダンデザインとして約30年もの間世界をリードし続けます。 これがデーニシュデザイン・ゴールデンエイジと呼ばれ、半世紀も前に発表された家具の多くが現在でも生産され続け、多くの人々に実生活の中で、使いやすく美しい生活の為の道具として愛用されています。 湖と森の国、北欧に育った文化は、北極点をこえて私達日本人にも多くの事を語りかけます。その美意識や価値観には、共感できる部分がたくさんあります。デーニッシュデザインに触れた時、私達が忘れかけていたなにかを取り戻せる気がしませんか?
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