お客様からのプレゼンテーション:ささわし
1.2.3

毎度のお客様、石川さんの一言

「大丸さんでは“ささわし”はやらないのですか?
こちらのお店にぴったりなのに。」
そして
「絶対やるべきですよ!」と同行されたお友達のダメ押し

全てはこれがきっかけでした。

「帽子も欲しいけど・・、今一番欲しいのは腹巻なんです!」
「夏の冷房環境では必要とする女性は多いと思いますよ。」
「そうそう、“ささわし”ソックスのおかげで
足がすべすべで誉められるんですよ。」




 石川さんは仙台市南部にあるオーガニックカフェのオーナーです。
「こだわり」という言葉は最近あまりにも簡単に使われすぎて、ちょっと「くたびれ感」があるのであえて使いませんが・・
ご自分の主義・主張・生き方、この辺のところが一本ちゃんと通っている、とても素敵な女性です。
 そんな石川さんの“ささわし”に対する熱い語り
どうやらこの“ささわし”というものには彼女をそうさせてしまう、それだけの「訳」があるようです。

 そもそも“ささわし”って何?
「ささ」は笹で「わし」は和紙ということでしょうか?そして和紙ですので紙製の靴下とか腹巻ということなのでしょうか?紙製なのにはたして製品として成り立つものなのでしょうか?
 とても気になったので早速調査してみることにしました。


ささわしの「ささ」は笹?

クマザサ


ここでいう「ささ」とは皆様ご存知の「くまざさ」という植物を
指しております。

 「くまざさ」は熊がよく食べるので「熊笹」と書く人もいるようですが、一般的には越年する葉に現れる白い隈取りから「隈笹」と書くようです。
 その昔、飛騨地方では「くまざさ」のことを野麦といったそうです。野麦峠は有名ですよね。この「くまざさ」、その多くは日本に生息しており、おもに本州の高冷地や北海道などに群生するイネ科の植物です。地中にしっかりと根を張り、雪深い厳しい北国の冬、雪の下でも枯れることなく越冬してしまうとても生命力が強い植物です。「くまざさ」は約60年間枯れずに地中の栄養分を吸い上げ、たくましく成長を続けます。

「くまざさ」には不思議な力があるようです。
 クマは冬眠する前にひと冬を過ごせるだけの大量の餌を食べ栄養を蓄えます。しかしながら、冬眠中のクマは排泄が出来ないので、普通であれば腸内に留まっている排泄物が醗酵し、毒素が血液の循環によって体中にまわってしまい、命取りになってしまうところです。ところがそうはならない・・。実はこれには、この「くまざさ」が関わっていたのであります。
 クマは冬眠仕度の最後に大量の「くまざさ」を食べているのです。また冬眠から目を覚まし最初に食するのも「くまざさ」だとか・・。「くまざさ」には、毒を分解する作用や血液を浄化してくれる作用があるそうなのですが、クマはそれを本能的に知っているのです。
笹団子 そういえば新潟地方の草団子やちまきなどに笹の葉を利用していましたね。これは戦国時代、保存食として「くまざさ」の持つ強い抗菌作用を利用したのが始まりだと言われております。昔から「くまざさ」は喘息、十二指腸潰瘍、腎臓病、浮腫、止血などに効き目があるとされ、また炎症や悪性の腫れものへの塗布剤としても使われてきました。そして最近では、細胞賦活作用、免疫賦活作用、創傷治癒促進作用、造血作用、殺菌、制菌作用、脱臭作用、抗アレルギー作用など、非常に多くの効能や作用の存在が明らかになってきました。

ささわしの「わし」は和紙?

ささ和紙原紙

やはり「和紙」のことでした。
 私達日本人は昔から和紙という素材に慣れ親しんでまいりました。和紙って本当に強いですよね。ポケットに入れたまま洗濯をしてしまったお札が、ごわごわになってもボロボロになっていない事に気付き、和紙の強さに驚いた経験がある方はたくさんいらっしゃると思います。西洋紙とは違い粘り強く加工性に優れるため、書く、包む、てんぷらなどの油取りに、扇子やうちわに、柿渋などを塗って雨具に、提灯や行燈などの灯りのシェードに、etc。和紙は私達日本人の日常生活の中で実に様々な利用のされ方をしてまいりました。

AKARI光の彫刻AKARI
 
彫刻家イサム・ノグチは、1951年から約40年間にわたり、岐阜提灯をモティーフにした光の彫刻ともいわれる照明器具「AKARI」の一連をデザインしておりますが、ここでもやはり和紙が使用されております。その独特の美しい光は、時にアンビエント照明として、そしてまたアクセント照明として、現在も様々な照明計画の場面で採用されております。

にっぽんの障子
日本の障子  
そして日本の住まいに欠かせないのは障子です。高温多湿な日本の風土の中で、部屋の湿度を調節し、断熱効果を発揮して、外光を柔らかな光に変えてくれます。和紙には、優れた機能性とともに、人々の心を和ます働きもあるようです。
 建築家、故吉村順三氏が残した数々のモダン住宅建築の中でもよく採用された障子ですが、吉村氏が居住空間に落とし込んだ障子の美しさに私は今まで何度魅せられたことでしょうか。

 という訳で「ささわし」とは「くまざさ」を「和紙」に漉き込んだもので、「くまざさ」の効能と「和紙」の効能とを合わせ持った、新しい素材のことなのでした。
 先人達が長年の経験の中で育んできた生活の知恵を、現在の生活の中で活用しようとリ・デザインされたテキスタイルであります。

 幾度もの試行錯誤から、いっさいケミカルな処理なしに「くまざさ」成分のエッセンシャル効果がそのまま活かされ、持続する、理想的な素材ができました。

紙でできた靴下やはらまきやバスタオル??
 しかしながら、いくら強い和紙といえども紙は紙。紙製のそのような製品というものがはたして成り立つものなのでしょうか?
ちょっと不思議に思えましたので、今度はその辺を探ってみることにしました。

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