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デンマークの照明器具メーカー ルイスポールセン社で仕事をして、今年で7年になります。 今では照明はとても自分に身近なものとなっています。初めて出かけた場所では、まず上方をおもむろに見上げ、照明器具を確認。さらに周囲を見渡して、まず光からその場所の雰囲気を楽しみます。これは一種の職業病かも知れませんね、たぶん...。けれども専門的な話ではなく、日常的に私たちの周囲にはたくさんの光があふれていて、光のクオリティーが私たちの暮らしに与える影響は大きいのです。
有名シェフが腕をふるう人気フランス料理店。店内は高価な家具や調度品を使い、クラシックでエレガントな雰囲気。と思ったら...なぜか照明だけが1つ星。そんなことがあります。
店内が均質に明るすぎたり、逆にテーブルに適当なあかりが無いため、暗くてお料理がよく見えなかったり。こんなことでは目で十分に《味わう》ことはできません。
『照明器具が白い光で部屋全体をムラなく明るく照らしてくれるので、なんだか気恥ずかしい。家に帰っても落ち着かない...。』ワンルームマンションに住んでいて蛍光灯の器具を使っている、という方がこんな話をしてくれたことがありました。コンビニエンスストアに住んでみたら、似たような雰囲気がするかもしれません。リラックスした雰囲気を演出してくれる、白熱ランプの赤っぽい光に変えることをお勧めしました。
ハロゲンランプを組み込んだ小型のスポットライトが使われることが、以前より多くなってきたように思います。『自宅で食卓のために使ってみようかな...』、と思った時には注意してください。使い方を誤ると、上から下へ照らされた強い光で、あなたの顔の目や鼻の下に影がくっきりと出てしまいます。また、顔の見え方やその表情がデフォルメされたりすることもあります。雑誌を読むときに、光が紙に反射して読みにくかったり、手紙を書くときに、ペンの影が邪魔になって書きにくかったりもします。光の強さと方向性には、十分配慮することが必要です。
デンマークの友人からこんな話を聞きました。デンマークでは『窓が無いキッチンは、キッチンと呼べない』。どうして?そのヒントは太陽光にあります。デンマークは地理的に地球上のかなり北に位置するので、太陽の高度が低く日照時間が短い。そのため心地よいキッチンの条件として、太陽光を室内にたくさん取り入れることができる《窓》があることがあげられているのです。建築物に差し込む太陽の光は、人工照明を考えるときに大変参考になります。
その場所の雰囲気がなんとなく気に入らなくて、居心地が悪い。そういった経験がありませんか?そんなときにはその空間の光をチェックしてみてください。原因は光にあることも多いのです。光は空間、形、色、時間を楽しむための重要な要素です。
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2001.9.20 ルイスポールセン・ジャパン 米津 誠太郎
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